アスペルガー症候群諸々 [アスペルガー]
あなたは「アスペルガー症候群」という病気を知っていますか?初めてこの病名を耳にする方も多いと思いますが、別名「高機能自閉症」とも呼ばれています。自閉症の一種なのですが、自閉症と大きく違う点は、知的障害がない点です。
アスペルガー症候群とは
アスペルガー症候群には、どのような特徴があるのか少し説明したいと思います。
アスペルガー症候群の方はコミュニケーションをとったり、社会性を維持するのがとても難しいです。
知的障害がある訳ではないので、様々な言葉を使ったり話したりすることは出来ます。
しかし、普通の人には当たり前の対応が、アスペルガー症候群の人の場合には出来なかったりもするのです。
例えば、職場で、本当のことを言わなくてもいい場面がありますよね?
そんな時、認識が欠如しているために、本当のことを言ってしまうのが、アスペルガー症候群の人の特徴です。
その状況に合った言葉を選択することが出来ずに、周囲からは自己中心的な人、空気が読めない人と思われてしまうことが多いのです。
普通の人と比べて「感覚」が鈍かったり、逆にとても敏感だったりするのも特徴の一つです。
誰でも嫌がるようなガラスをひっかくあの音に対して全く拒否反応を見せないなど音に鈍感だったり、少しの日差しでも気になって外出時にはサングラスが必須だったりと、感覚が人と違うことも少なくありません。
他にも、いつも同じ行動パターンで生活していることが多く、急に予定を変更したり、今行っている作業を変更することをとても嫌がる傾向にあります。
アスペルガー症候群の原因
自閉症の一種であるアスペルガー症候群ですが、自閉症は遺伝や免疫学的な物が原因だと言われているのに対して、アスペルガー症候群は発症の原因が特定されていません。
現在の医学では、はっきりとした原因がわかっていないのです。
アスペルガー症候群の場合、親のしつけや遺伝的な問題があるのではないか?と思われたり、幼少期に何かトラウマになるような出来事があったのではないか?と思われがちですが、決してそのようなことはありません。
親に原因がある訳でも、育て方に問題がある訳でもないので、心配しないようにしてください。
アスペルガー症候群の子供は、何か一つのことにとても熱心だったり、小さい頃から異常に暗記力が良かったりすることから、周囲の方に親が教育熱心すぎるなんて言われてしまうことも多々あるようです。
さらに、知的障害もなく、言語発達も普通の子と変わらないので、誤解を招きやすいこともあります。
しかし、何か特定の物に興味を持ったりするのもアスペルガー症候群の特徴ですから、そのような周囲の意見は全く気にする必要はありません。
アスペルガー症候群の原因として、近年、有力視されているのが、脳の機能障害です。
ただ、脳のどの部分に障害が起きて発生しているかというのも重要なポイントではありますが、この部分までは未だにはっきりしたことはわかっていません。
子供が母親の胎内にいる間に、何らかの問題が発生し、脳の機能障害が起こって、中枢神経系に異常をきたしているのではないかというのが、現在のところの有力な説のようです。
ADHDとの違い
ADHDとアスペルガー症候群は、同じような病気だと思われがちですが、細かく調べていくといくつか違う点があります。
今回はその違いについて、ご説明したいと思います。
専門家でもきちんと見分けるのが難しいと言われているADHDとアスペルガー症候群ですが、大きな違いが一点あります。
ADHDの特徴として、あまり一つの物事に集中することが出来なかったり、落ち着きがなくじっと椅子に座っていることさえも困難だったりすることがあるのです。
さらには、急に行動を起こしたりするので、みんなが並んでいるのに順番を待てずに割り込んだりしてしまうことが多々あったりするのが特徴です。
一方、アスペルガー症候群は、思い込みやこだわりが強い面が見られ、何か一つ特定の物に対して好奇心や興味を異常に見せたりします。
ですので、繰り返し行うような動作や作業を得意とします。
ADHDとアスペルガー症候群の違いはここです。
ADHDの場合は落ち着きがなくじっとしていることが出来ないので、何か一つの物事を集中して行うことは出来ないのです。
逆に、アスペルガー症候群の場合は何か特定の物に対して異常なくらい執着を見せたりするため、集中して作業や動作を行うことができます。
いずれにしても、病院へ行って治療を行うだけでなく、病気に対する周囲の理解が必要です。
病気を理解せずに、「空気が読めない人」「落ち着きがなく失敗ばかりしている人」として接するのではなく、病気を理解してサポートしてあげなくてはなりません。
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